鏝絵(こてえ)で有名な左官の名工、伊豆の長八(入江長八)の出生地で温暖な静岡県の松崎町で育ち、昭和43年に手に職を持とうと大工の道を選び、叔父さんを頼り横浜の山手で夜間の訓練所に通いながらの3年間でした。中でも山手特有の洋館の改修工事では重厚さと細部の納まりの仕上がりを、おぼろげながらですが、記憶に残しつつ、大工としての一応の技術を教えてもらった修業時代でした。
実直な叔父さんの建てる家は、構造材に重きを置き、特に梁の大きさ、柱のホゾの長さ、仕口の納め方、仕上げにこだわった家の納め方を教えてもらいました。
その後、王子にある夜間学校に通う為、池袋の建設会社にお世話になり、17年間、注文住宅の新築、増改築を主に従事してきました。
その間、埼玉県に引っ越し他社の援助も受けて独立して、平成3年に会社を設立しました。注文住宅の新築から増改築を主に木造建築を主体に、見習いから大工歴一筋50年以上、現在に至っています。
近年、お寺と教会の仕事を主に20年以上、長く関わらせていただいておりますが、
施工実績の拡大にこだわることなく安易な流行に走らず、無垢材を基本に耐久性のある構造で増改築、新築に木肌の心地よい住まいを提供出来るよう、依頼主様の要望にお応えする会社でありたいと思っています。
伊豆の長八の作品は静岡県三島市の龍澤寺、戸田の松城邸、松崎町に美術館も含め各所に保存されていますが、目黒区にある祐天寺の祐興上人とも親交があり、幕末から明治にかけ、現在の東京周辺でも活躍して、茅場町の薬師堂など各所に多くの作品を仕上げましたが、残念なことに震災などにより焼失してしまって、現在は、足立区の橋戸稲荷神社、成田山新勝寺、川越の喜多院などに大切に保存されているようです。
名工伊豆の長八の職人気質と比較にもなりませんが、手作業を惜しまず仕上げて、長八の気骨に少しでも近づけるよう心掛けています。
代表取締役
石田元次
駒野浩士
二級建築士
建築大工一級技能士
2012年より石田工務店入社
以前は、西洋料理の調理師としてホテルで働いていましたが、石田工務店が改修工事を手掛けていた大増寺を見学し、木目の美しさ、木肌の心地よさ、香り、大工としてのやりがいに魅力を感じ転職を決意し現在に至ります。まだまだ未熟ですが日々精進してまいります。
東京建築高等職業訓練校卒 55期生